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森博嗣「彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?」

 

 

 10月20日創刊の新レーベル「講談社タイガ」。そのファーストラインナップに森博嗣の新作が来た。その名もWシリーズ!(おそらく「Walk Alone」の頭文字をとってWシリーズなのだと思う。)

 早速だけど昨日買ってきて、今日の昼間に読み終わった。結局何がしたいのか未だによくわかっていないし、あまり代わり映えのしない展開をするXシリーズとかとは違い、完全新作なのでかなり楽しみだったし、ページ数が250ページもないくらいの薄さだったんだけど、その日の内に読めなかったのには理由がある。言うてただ眠かっただけなんだけれど。
 まず時系列だけど、この前書いたように、試し読みを読んでこの作品はXシリーズやGシリーズと百年シリーズの間だと思ってた。真賀田四季という天才が、直接的にせよ間接的にせよ必ずどこかで関わってくる作品群の中で百年シリーズが時系列的に最後ですよみたいに言われてるのを以前どこかで見て、必ずそうであると思っていたからだ。しかし読み進めていくうちにそれが誤りだということに気付いた。端的に言って百年シリーズは2100年くらいの話だけど、このWシリーズは2200年とかの話っぽい。真賀田四季を2世紀前の歴史上の偉人と言ったり、およそ200年前に少子化が問題になったとか言ってたので。
 この作家はいつも他の書物の引用文を一番最初と章初めに挿入するけど、今回は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」。「彼女は一人で歩くのか?」の内容自体も「電気羊」と似た感じになっている。ようするに人間とほぼ違いのなくなったアンドロイド(ウォーカロン)のいる世界だ。「電気羊」はまだ機械によってなったいたけど、本作では人工的に作られた細胞からなっているので、「電気羊」よりも人間との差異は微妙なものになっている。「百年」の頃はまだロボットぽかったウォーカロンがほぼ人間みたいなことになっているのだ。というか一番驚くべきは人間の長寿化である。なんとこの時代、臓器やらもあーだこーだできてしまうので、理論上半永久的に生きられるらしい。
 そう、「S&M」「V」などなどはミステリであったけど、この「W」はSFだ。ミステリ的要素はややあるけれど、「百年」ほど主張しても来ない。ましてや、「G」「X」みたいな推理合戦みたいなのもない。未来的なガジェットもちゃんと出てくる。のでSFとして楽しめるはず。
 とはいえ単体で十分楽しめるかなぁとなると微妙。読めなくはないけど十全の面白さは伝わらないと思う。かなり遠い道のりだが、「S&M」「V」「四季」「百年」くらいは読んでおいた方がいい気がする。そう考えるとある意味敷居は高いのかもしれない。
 作者の公式サイトを見ると、どうやらこの「Wシリーズ」はだいたい10冊程度を予定していて、年3冊刊行予定らしい。で、既に次の2冊は書き終わっているらしい。タイトルは「魔法の色を知っているか?」「風は青海を渡るのか?」だそう。
 今日まともな感想は書けなかったので、次巻が出るときに読み直してまた書こうと思う。まともなものが書けないのは単に眠いからだから、そこさえなんとかすればいいだけの話なのかもしれないけど。
 あ、それと講談社タイガの西尾維新の新作をもしかしたら買うかもと言っていましたが、買わないことにしました。まぁ買ってもたぶん最後まで読まないでしょうし。