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講談社タイガ 創刊試し読み冊子

読書

 

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 来月10月に講談社から新文庫レーベル「講談社タイガ」が創刊される。刊行前に公開された執筆陣はめちゃくちゃ豪華で、少しづつ発表されるその面子を見て何度も驚いたものだ。というか既に50人近い作家がこのレーベルから本を出すことが確定しているらしい。これが講談社の全力か・・・、とちょっとビビる。

 なんとなく見た感じ、公式は否定してた気がするけど、どうやらライトノベル寄りの雰囲気で、新潮社が去年刊行した新潮文庫nexみたいなところを目指しているのかなと思ったり。新潮文庫nexはもう完全にライトノベルレーベルって認識をされているけど、講談社タイガはどうなるだろうか。たぶんそこらへん表紙のデザインで決まるんじゃないかな。あと、ライトノベル寄りとは言ったけど、推理小説家の名前のなんとなく多いようにも思える。

 で、刊行だいたい一か月前の先週あたりに刊行一か月め、二か月めで出る8作品の試し読みができる無料小冊子が書店で配布されはじめた。小冊子とはよく言えたものだと言いたいくらいだけど、そのページ数なんと約200ページ(!)。これくらいのページ数のライトノベルたぶんありますよね。

 そしてその小冊子に載ってる10月刊行分に、積極的に読んでいる森博嗣西尾維新の名前があったので、ちょっと探してきて読んだ。

彼女は一人で歩くのか?

 森博嗣の作品はS&Mシリーズから始まり、Vシリーズ、GシリーズにXシリーズ、四季や百年シリーズなど、世界観が共有されているいわゆる森ワールド作品はだいたい読んでいるし、そのワールド外であるスカイ・クロラシリーズもヴォイド・シェイパシリーズとかもほぼほぼ読んでいる。

 そんな自分だけど、今回のこれ、「彼女は一人で歩くのか?」。その副題を見て本当に驚いた。「Does She Walk Alone?」。そうウォーカロンだ!

 何を隠そうウォーカロンというのは森ワールドの終着点、百年ワールドに登場する登場人物ロイディのことであり、また、それはいわばアンドロイドだ。

 まぁ要するにファンにとってはこれ以上ないサービスなわけだ。そして、このサブタイトルをつけるということは確実にそれだけでは終わらない。あまり熱心な読者でない自分はGシリーズがあと3話でどこに着地するのかまったく予想がついていないし、そんな時にこんなわかりやすい餌を垂らされたら全力で食いつく以外にあるまい。

 軽くぱらっと読んだ感じ、時系列は百年に至る前なのかな。終わっていないGシリーズXシリーズはともかく、四季冬とどっちが後かとなると、うーん。冬を読み直せばわかるかもしれないけど。

 試し読みできたのはプロローグと一章がちょっと。物語の幕開けとしてはなかなかに心躍る展開だった。いろいろ深読みできるし、刊行までのあと一か月が遠く感じる。もちろん一か月なんて気付いたら過ぎてる程度の時間なのだけど。

 ところでお約束の章初めの引用文。これは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」かな? だとすると「彼女は一人で歩くのか?」はある種のオマージュになったりしてるのだろうか。タイトルもそんな感じだし。ま、今まで必ずしも引用文に即しているというわけではなかったけど。

美少年探偵団

 「西尾維新新作!」。この文字列に対する喜びは正直もうない。今回小冊子で「彼女は一人で歩くのか?」ともう一つ、唯一これを試し読みしたのも惰性の部分が強い。別にいくら出しても構わないけど、それぞれ完結させてくれ、ほんと。俺はりすかのことは忘れてないですからね。

 相変わらず冗長な語り口で試し読み分では大して話は進まなかった。何かはよくわからないけど、何かしらの悩みというか抱え事をしている主人公の女子が、あれよあれよと5人の美少年を紹介して終わりだ。まだ「イケメン」ってルビが振ってなかったので良かった方な気がする。

 この作家の推理小説方面はぶっちゃけまったく期待していないし(世界シリーズや難民探偵の前例があるので)、登場人物の5人の美少年は個性の上から個性を上塗りしたってくらいわかりやすい個性の塊で人間味しないし、あんまり食指は動かなかった。買うとしたら、いくら文庫とはいえ数百円を払うことになるわけで、もしかしたら買わないかもしれない。というか買わない確率の方が7割というまである。

 

 

 現状11月までの刊行予定で8人の作家の作品が発表されているけど、自分が特段に期待しているのはあと二人、麻耶雄嵩と白河三兎。この二人がいつ頃来るか、それを考えながらとりあえず創刊を待とうと思う。